憲法について皆さん勉強は進んでいるでしょうか?
立憲主義とは権力を縛る役目を言います。
憲法は権力者に制限をかけることで国民に都合の悪い法律や条例を作らせないようにする役割があります。
そして立憲主義は民主主義の暴走に歯止めをかける役割があります。
かつてドイツでは民主主義が暴走してナチス・ヒトラーの独裁政権を生み出しました。
民主主義下ではかつてのドイツのように国民がワイマール憲法を捨ててナチス憲法を取ると決断すればそれが実現してしまいます。
でもその結果ナチスドイツはどうなったか?皆さんも歴史で学んだとおりです。
民主主義の暴走によって生み出されたナチス・ヒトラーの独裁政治はユダヤ人虐殺や第二次世界大戦の悲劇を生み出しました。
罪のない人達が大勢死にました。
憲法は民主主義と立憲主義の間に均衡点を定めなければなりませんがドイツはかつてのナチスの反省からやや立憲主義寄りに均衡点を取っています。
日本もドイツ同様第二次世界大戦時に全体主義に陥ってカミカゼ特攻のような悲劇を生み出しました。
私は日本もドイツ同様先の大戦の反省に立って立憲主義側に均衡点を取った方が良いように思います。
確かに民主主義下では国民の過半数で物事が全部決まってしまいます。
立憲主義を国民が捨てると決断すればそれが実現してしまいます。
でもかつて戦前のドイツではどうなったか?
戦前のドイツ国民は立憲主義を捨ててナチスを取ってその結果どうなったか?
そして現在のドイツの憲法はどうなのか?
日本は憲法をどうすべきか?
国民一人一人が真剣に考える必要があると思います。
それと佐藤優氏の『小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける』と言う本に書いてあったのですが現在の内閣法制局の憲法解釈では戦力の保持は出来るという解釈だそうです。
※『小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける―これだけは知っておきたい70のポイント 単行本 – 2015/1 佐藤 優 (著), 井戸 まさえ (著) 』
憲法九条は「第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 」とあります。
内閣法制局は「国際紛争を解決する手段としては」と言う条件から自衛のための最小限度の戦力と最小限度の核兵器は現行憲法でも持つことが可能であるという解釈だそうです。
それならば憲法改正する必要がないと考えられます。
少なくとも9条は改正せずに現行のままで良さそうです。
安倍総理は2020年までに憲法改正をすることを目標に掲げましたが内閣法制局の憲法解釈をどう思っているのでしょうか?
現行憲法でも自衛の為の最小限度の戦力と核は持てる。
安倍総理は9条をどう考えているのか?
九条の一項と二項はそのまま残し自衛隊の存在を三項に設ける方針と聞きます。
これから安倍自民党も本格的に憲法改正の議論をするのでしょうが2020年まであと3年です。
自民党内の議論に3年かかってもその後を受けての国民の議論の時間をどう考えているのでしょうか?
憲法改正は現在与党である自民党だけで決められるものではありません。
国民に選ばれた政治家は与党だけでなく野党にもいます。
野党との議論の時間もかかるでしょう。
そして与野党の議論を見ての国民の議論があります。
憲法は国において最重要な事項なので国民間でじっくり議論して結論を出さなければなりません。
憲法改正発議をするにしても肝心の国民の議論が成熟しないままではどうしようもない。
安倍総理の憲法改正は国民不在・野党不在の料簡ではないでしょうか?
そもそも今の国民は憲法改正が第一の関心事でしょうか?
今の国民は自分達の生活が第一優先ではないでしょうか?
先の選挙で安倍自民党は議席を2/3に増やしましたがこれは憲法改正が争点ではなく経済政策が争点だったはずです。
アベノミクスの継続を選挙の争点にして議席を増やしたということはアベノミクスに対する国民の期待でありアベノミクスによる期待は国民が生活を第一優先している証拠ではなかったでしょうか?
しかし選挙後アベノミクスは誰の目にも失敗というのが共通認識でしょう。
その反省もなくアベノミクスの期待でとった2/3議席を使って憲法改正しようというのは筋が通らないしアベノミクスの失敗の反省を何もしていないということであり国民を舐めています。
安倍総理はまず憲法改正よりアベノミクスの失敗を認め真摯に反省しケジメをつけるのが物の順序だと思います。
経済政策すら失敗して国民に迷惑をかけている安倍政権が憲法改正を呼びかけるなど言語道断です。
そんな低レベルの政権が憲法改正など口にすべきではないと思います。
安倍総理の能力で憲法改正などすれば必ずや大改悪になると思います。
少なくとも改悪になる可能性が大きいと思うのが普通です。
あれだけ期待されたアベノミクスの無残な失敗から見ても安倍政権に真っ当な憲法改正が出来るとは誰も思っていません。
安倍総理には憲法改正の大風呂敷など広げないでまずはアベノミクスの失敗の責任を取って辞任なり内閣総辞職をすることが筋ではないでしょうか?
国民としても安倍総理の憲法改正などに付き合わされるのは正直迷惑です。
多くの国民にとって安倍政権は国民に仇をなす政権であるとしか見えません。
安倍政権の異常な支持率の高さは民主党の失敗による点が大きいと思います。
安倍政権は一般国民にとって積極的に支持するメリットなど見当たりません。
安倍政権は消去法で選ばれているにすぎません。
安倍総理もああいう性格の人ですから支持率が高い内はもはや自分から辞める様なことはしないでしょうがせめてご自分の能力と立場を弁えて憲法改正など考えず謙虚に慎ましく総理の仕事を消化して欲しいというのが正直な思いです。
一般国民にとっては安倍総理と安倍政権を積極的に支持する利点は何もないのです。
安倍総理はもう余計なことは何もしなくてよいと思います。
ただ残りの任期の総理役を粛々と消化するだけでよい。
無能者は無能者らしく大人しくしていればいいと思います。
安倍総理に国民の期待がかかっているなどと勘違いされては困ります。
安倍総理に国民は何も期待していない。
安倍総理は何もやらなくていい。
安倍総理に国民が期待するのは何もしないことです。
それが多くの国民の正直な気持ちだと思います。
ただ安倍総理が2020年までの憲法改正を目標にすると宣言した以上安倍自民党の憲法改正の議論と呼びかけを注視していかなくてはなりません。
安倍総理はどこまで憲法をいじるつもりなのか?
九条に第三項として自衛隊の存在を明記するだけなのか?
それとも自民党改正草案を基に憲法全体を変えるつもりなのか?
とにかくまとまった情報がまだ出てこないのでハッキリしたことは言えません。
まずは安倍総理の憲法改正の呼びかけと自民党の憲法改正の議論に注目しそれに対する憲法学者や有識者の意見を聞いてみなくてはなりません。
いずれにせよ一般の日本国民は否が応でも憲法改正議論に巻き込まれざる負えません。
一般国民も自民党が流すネットの情報とその世論形成に流されずにしっかり自分の軸を持って落ち着いた判断と行動をしていかなくてはなりません。
憲法は国家の再重要事なので自民党が訴えてくる憲法改正の議論と呼びかけに軽々に乗らず腰を据えて冷静に対処していかなくてはなりません。
憲法改正に関する勉強も少しづつ進めていかなくてはなりません。
以下にAmazonで売れ筋の本を紹介しておきます。↓
(1)まず一冊目。憲法改正本の中でもナンバーワンの売り上げと圧倒的レビューの評価を誇る憲法学の権威である樋口陽一東大教授と小林節慶大教授の対談本↓
●『「憲法改正」の真実 (集英社新書) 樋口 陽一 』
(2)さらに2冊目。憲法改正に仕掛けられた罠についてさらに鋭く切り込んでいる苫米地英人氏の要注目の本↓
●『憲法改正に仕掛けられた4つのワナ 苫米地 英人 』
(3)現行憲法の成り立ちや歴史について一通りまとまった勉強も必要です。次の本がおススメです。池上彰さん本です。憲法の勉強にアレルギーを起こす人もこの本なら苦痛にならないでしょう。解説が分かりやすくそれでいて憲法改正問題の要点をしっかりついている。おススメです。↓
●『池上彰の憲法入門 (ちくまプリマ―新書) 新書 – 2013/10/9 池上 彰 (著) 』
(4)更に憲法を参照する際に必要なポケット六法。
憲法はネットでも色々読めますが絶対記述に間違いがないとは断言できないので信頼できる参照本を手元に置いておくと良いでしょう。実績と信頼のある有斐閣がおススメ↓
●『ポケット六法 平成29年版 単行本 – 2016/9/23 山下 友信 (編集), 山口 厚 (編集) 』
(5)ポケット六法は高いし日本国憲法だけ読めれば良いと言う人は次の本でも良いでしょう↓
●『日本国憲法 (小学館アーカイヴス) 単行本 – 2013/6/20 小学館 (著) 』
(6)そして立憲主義について戦後始めて本格的に記述された本であり戦後最も重要な憲法学者である故・芦部信喜東大教授の大ベストセラー『憲法』。
憲法と立憲主義について本格的に勉強するにはこの本は避けられません。腰を据えてじっくり憲法学に取り組むなら是非この本を購入して読みましょう。詳しく知りたいところを読むという辞書的な使い方でも良いと思います↓
●『憲法 第六版 単行本 – 2015/3/6 芦部 信喜 (著), 高橋 和之 (その他) 』
国民も安倍総理の2020年までに憲法改正を目指すという宣言で憲法改正問題に巻き込まれざる負えませんが上記の本はAmazonのレビューでも良書との評判なので安心して勉強に取り組めると思います。
少なくとも憲法改正問題について考える際の良き道標となるでしょう。
我々一般国民もこうなったら憲法改正に巻き込まざる負えないのでお小遣いをはたいて勉強せざる負えません。
この機会に憲法についてしっかり勉強してしまいましょう。
お互い憲法の勉強を頑張りましょう。
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